ずれずれ草~伯拾伍~
レストラン植松です。
早いもので6月も残り1日。明日から7月ですね。
今年も半分経過したことになりますが、もう半分終わってしまったと思うか、まだ半分も残っていると思うか個人の捉え方の違いですが、私は当然前者です。歳をとった証拠ですね、はい。
最近はすっかりお約束になってしまいましたが、今回もそばを食べてきました。清里駅近くにある「田舎そば米村」です。
清里高原といえば標高が1,300mぐらい。グリーンヒル(標高750m)から車で30分ほどですが、標高が高くなるにつれ、運転中の車内からでも涼しさを実感します。
「米村」に到着。
こちらが外観と店内
オススメのメニューは「夏野菜とぷりっぷりっ海老の天ざるそば(1,300円)」だそうで、もう「ぷりっぷりっ海老」というのに惹かれてしまいました。迷うことなく注文します。
待つこと10分ほどで運ばれてきたのがコチラ!
50年配のママさんが、野菜の天ぷらについて説明してくれました。
「これがハルシオン、これがヤマブドウの新芽で少し酸味があります。これが山独活、これが破竹、よく言う破竹の勢いの破竹でたけのこの一種ですね。」
ママさんの説明がやや早口気味で、一度では理解できなかった私は、
「すみません、もう一度お願いできますか?」
とリクエストしてしまいました。
ママさんは嫌な顔一つせずに、今度はゆっくりと同じ説明をしてくれました。
二回目の説明を聞き終えて、心の中に引っかかった言葉がありました。
それは「ハルシオン」です。
私はもう一度聞き直しました。
「ハルシオンですか?」
「そうです。ハルシオンです。」
ママさんは答えます。
ハルシオン???
私の頭の中の辞書(広辞苑第七版!?)に載っている「ハルシオン」は、ソフィアというロックバンドの「黒いブーツ」という曲の歌詞に出てくる「どこからかくすねた春四音(ハルシオン)」でハルシオンという名前の睡眠導入薬なのです。
私の心の中にはもう疑問、疑念が渦巻きながら、湧き出てきました。
「睡眠導入薬を天ぷらに!?・・・まさか?そんな事はないよな・・・」
ママさんにハルシオンについて聞くことが何故か怖くなってしまった私は、後でゆっくり調べてみようと思い、それ以上言及するのをやめることにしました。
ここは一旦そばをいただこうと思い口にすると、田舎そばと謳っているとおりで、とても素朴な懐かしい味。麺も不揃いな切り方が、いかにも手作りという感じがでています。
一口、二口とそばを啜りながらも先程の疑問が頭を過ります。
ん・・・待てよ。
私の辞書の中からもう一つ出てきた言葉が・・・。
「ハルジオン」じゃないのか?
そうそう、あったあった「ハルジオン!」
「ハルジオン」はBUMP OF CHICKENというロックバンドの曲で、たしか歌詞の中のハルジオンは「白くて背の高い花」と表現されていたことを思い出しました。
早速ググってみると、ありました、「ハルジオン!」
―春紫怨 別名貧乏草 春の新芽や茎は天ぷらか茹でて和え物に向く―
なるほど、どうやら私の聞き間違え?だったようです。
疑問解決しました!
すっきりしたところで、そばと天ぷらの続きを。
天ぷらは他にもズッキーニ、カボチャ、茄子、エリンギ、海老と盛り沢山。
天つゆとアンデスの岩塩のどちらで食べても良いとのこと。
どちらで食べても実に美味しい!
ぷりっぷりっ海老もさることながら、それ以上にハルジオンといい、ヤマブドウの新芽や破竹といい、珍しい山菜をいただくことができたのは、予想外の大きな収穫でした。
それにしても、揚げたての天ぷらは具材が何でも美味しいですね。
今回も美味しいそばと天ぷら、ごちそうさまでした。
私は若い頃から、ロクに勉強もせず音楽(ロック)ばかり聴いていたダメ人間ですが、「ハルシオン」とか「ハルジオン」とか日常生活においてあまり役に立たない言葉とか知識もロックから得たものだと思うと、それも全くムダなことではなかったのだと思うのでありました。
ロック万歳!!
【田舎そば米村】
住所 北杜市高根町清里3545
0551-48-5551
営業時間 11:00〜15:00
定休日 不定休(夏季は無休)
それではまた次回。